内田康夫公認
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第1位 天河伝説殺人事件

 新宿の高層ビル街の雑踏で、男に突然の死が訪れる。傍らには奇妙な形の鈴が落ちていた。その鈴が、奈良県吉野にある天河神社の「五十鈴(いすず)」と知った被害者の娘・川島智春は晩秋の天川村へと向かう。
 同じ頃、能の水上流は後継者問題に揺れていた。宗家・水上和憲の嫡男・和春は六年前に謎の死を遂げており、孫の和鷹か秀美のどちらかが、将来、跡を継ぐことになるだろうと噂をされていた。そんな折、道成寺を舞っていた和鷹が、舞台の鐘の中で変死する。そしてさらに、宗家までもが行方不明に……。兄・和鷹の死後、悲嘆に暮れる間もなく、祖父の行方を捜す秀美は、吉野の里で浅見光彦に出会う。
 呪われた「雨降らしの面」に隠された、悲しき秘密とは? 「五十鈴」を追う智春と、宗家の行方を追う浅見と秀美。霊気満つる天川谷で、二つの謎が交差する。

第2位 後鳥羽伝説殺人事件

 広島県の三次駅で、女性の変死体が発見される。被害者は後鳥羽法皇の伝説を辿る旅をしていた正法寺美也子。彼女の今回の旅は、八年前、島根県仁多町で起きた土砂崩れに巻き込まれた際に失った記憶を、取り戻すための旅だったという。
 捜査本部が手詰まりの様相を呈した頃、新たな悲劇が起こる。生前の美也子を目撃していた富永という男が、他殺体となって発見された。どうやら富永は、美也子が旅の途中で手に入れた後鳥羽伝説に関する緑色の本の行方を追っていたらしい。
 一方、捜査本部の方針とは別に、独自の捜査を開始した三次署の野上部長刑事は、八年前、美也子と共に奇禍に遭い、命を落とした浅見祐子の家を訪ねる。そこで、祐子の兄・光彦に出会い、浅見と野上の捜査が始まる。
 消えた緑色の本の行方は? 妹の死の真相は? 更に深まる事件の謎に名探偵が挑む。記念すべき浅見光彦のデビュー作。

第3位 平家伝説殺人事件

 高知へ向かうカーフェリー「しーふらわー号」から、一人の男が転落死を遂げた。男は子供の頃に飛び出したきりだった実家へ、妻を伴って帰郷する途中だった。二年後、同じフェリーに乗っていた当山林太郎が、マンションの密室から転落死する――。「しーふらわー号」の航海士・堀之内は、二つの死に疑惑を抱き、高校時代の友人・浅見光彦に相談を持ちかけた。
 フェリーから転落死した稲田教由と、自殺した当山は、共に高知県西土佐村藤の川という、平家の落人の里の出身であった。謎を追って向かった藤の川で、浅見は教由の姪で平家の血を引く美少女・佐和と、運命の出会いを果たす。
 巨額の保険金詐欺に絡む船上消失トリック・密室殺人の謎。ヒロイン人気ランキング1位の、佐和と浅見の恋の行方も必見。

第4位 箸墓幻想

 畝傍考古学研究所の名誉顧問・小池拓郎が殺害される。亡くなった小池は、邪馬台国畿内説のリーダーの一人だった。小池が住んでいた当麻寺の塔頭の住職から、事件の捜査を依頼された浅見は、早速、春浅き大和路へとソアラを走らせ、住職の娘・有里と共に真相を追う。小池は「客に会う約束がある」と発掘現場を後にし、徒歩でどこかへ向かったというが、その後の足取りはいっこうに掴めない。その頃、小池が携わっていたホケノ山古墳の発掘現場で、卑弥呼の時代のものと思われる銅鏡が発見される――。
 連綿と続く女たちの妄執が、遙か古代のロマンさえも覆い尽くそうとする。小池の部屋に残された古い写真と一通の手紙は、浅見を事件の真相へと導くのか?

第5位 華の下にて

 華道界の風雲児とも言われる牧原良毅の、「岐阜県荘川村の御母衣ダムの桜」に関する講演を聴いた浅見は、華道に興味を持ち始めた。そこへ、雑誌「旅と歴史」の藤田編集長から、京都で開催される「国際生花シンポジウム」の取材依頼が舞い込む。前任のライターが、取材先の京都で殺害されたというのだ。
 その頃、華道界では、五百年の歴史を持つ丹正流家元の継承問題が波紋を呼んでいた。候補は一人娘の貴子、婿養子の博之、二人の娘でまだ高校生の奈緒の三人。華々しき世界に様々な思惑が交錯する京都へ浅見が足を踏み入れたとき、第二の殺人が起こる。

第6位 津和野殺人事件

 ある日、浅見の母・雪江が、染井霊園で殺人事件に遭遇した。被害者は、山陰の小京都・津和野で隠然たる勢力を誇る旧家・朱鷺の長老、勝蔵。死の直前、彼はなぜか他人の墓を暴こうとしていたらしい。浅見は、勝蔵の不可解な死の謎を追うなかで、墓の持ち主・神津家を探り当てるが、その直後、秘密を握る神津洋二が邑智町の浜原ダム湖で服毒死体となって発見される。
 津和野へと向かった浅見は、樋口久美・実加代という母娘に出会う。久美は、頭の中にある「赤いトンネル」の記憶を探して津和野を訪れていたが、太鼓谷稲荷で会った木元レンという女性が殺され、警察に容疑を向けられる――。
四百年以上の歴史を誇る朱鷺一族と対峙する浅見。久美の記憶の底に眠るものとは? 内田康夫ミステリーの根幹とも言える旅情ミステリーの金字塔。

第7位 贄門島

 浅見は母親の雪江から、二十一年前に父親が巻き込まれた事件を聞く。さる大臣に、房総の別荘へ招待された父・秀一は、プレジャーボートから海中に転落し、房総半島最南端に位置する美瀬島の漁船に救出された。瀕死の状態だった秀一はそこで、死神の会話を耳にしたという。「続けて何人も送ることはない」「来年に回すか」という言葉どおり、秀一は一命を取り留め、その翌年、他界した。
 ある日、大原のはだか祭りの取材に出掛けた浅見は、同業者の平子裕馬と共に、その美瀬島を訪ねる。鬼の角を思わせる贄門岩が海中から聳えるその島は、余所者を受け入れない不気味な雰囲気を醸し出していた。浅見が言いしれぬ不安を胸に抱いたとき、一緒に島に渡った平子の姿が、まるで神隠しにでもあったかのように忽然と消えてしまう。

第8位 中央構造帯

 日本長期産業銀行には一つの迷信がある。平将門の首塚に背を向ける「将門の椅子」に座る者には、死が訪れるというのだ。その迷信のとおり、「将門の椅子」に座った二人の男が立て続けに心臓発作で死んだ。更に、同じく「将門の椅子」に座っていた国際部次長の田中誠一もまた、千葉県の「八幡不知藪」で遺体となって発見された。
 事件に興味を持った浅見は現場へ赴き、そこで大学時代の同級生・阿部奈緒美と出会う。奈緒美は田中の恋人であり、平将門を祀る国王神社で有名な茨城県岩井市の出身だった。
 将門伝説と事件の繋がりを考える浅見は、偶然目にした新聞で〔将門川に水死体〕という文字を見つける……。果たして、一連の事件は平将門の呪いなのであろうか?

第9位 イタリア幻想曲 貴賓室の怪人II

 学生時代に欧州旅行をしていた浅見の兄・陽一郎は、イタリア・トスカーナ地方で一人の日本人男性・久世寛昌と出会った。陽一郎に、日本に住む妹へ手紙と指輪を届けてほしいと頼んだ久世は、その数日後、事故死を遂げる。
 それから二十数年後、豪華客船「飛鳥」で起こった殺人事件(『貴賓室の怪人「飛鳥編」』)を解決し、世界一周旅行を続けていた浅見の元へ、トスカーナに住む日本人女性・若狭優子から助けを求める手紙が届いた。優子とスイス人の夫が経営するプチホテルに、「貴賓室の怪人に気をつけろ」という脅迫状のような手紙が届いたというのだ。
 時を超えて浅見兄弟を繋ぐ因縁。レオナルド・ダ・ヴィンチが残した謎、キリストの聖骸布、そして「貴賓室の怪人」の正体を浅見が暴く!

第10位 氷雪の殺人

 浅見は、刑事局長の兄・陽一郎を介して、北海道沖縄開発庁長官から、ある男の死の真相を極秘に調べてほしいと依頼を受ける。その男・富沢春之は、利尻富士の登山道で、凍死体となって発見された。警察は自殺と判断するが、現地へ赴いた浅見は、利尻で「プロメテウスの火矢は氷雪を溶かさない」という富沢が残した謎のメッセージを発見する。その後、死体発見現場で中田絵奈という女性に会った浅見は、富沢が密かに彼女に送った「氷雪の門」と手書きされたCDを託される――。
 浅見兄弟の国に対する強い思い。そして、日本を愛し、日本を憂う著者が、日本人が失いかけている「覚悟」をテーマに描いた、社会派ミステリーの代表作。

★浅見光彦100事件達成を記念して、浅見光彦倶楽部会員の皆様にアンケートをしました。

◆ 第1位後鳥羽伝説殺人事件
◆ 第2位天河伝説殺人事件
◆ 第3位平家伝説殺人事件
◆ 第4位華の下にて
◆ 第5位箸墓幻想
◆ 第6位白鳥殺人事件
 沃野の伝説
◆ 第8位津和野殺人事件
◆ 第9位はちまん
◆ 第10位浅見光彦殺人事件
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